建築・環境専門業務

省エネ計算代行・外注の選び方

計算方法・申請範囲・設計変更対応をそろえて見積もることで、審査の差し戻しと工程の手戻りを防ぎます。

最終確認:2026年8月27日 | 国土交通省・住宅性能評価機関等の公開情報を参照

建築図面を確認しながら省エネ計算の条件を整理する様子
図面と設備仕様を同じ版でそろえることが、正確な見積もりの第一歩です。

結論

同じ条件で比較計算・申請・質疑対応の範囲をそろえて見積もります。
図面の確定度を共有未確定仕様と変更予定を先に伝え、再計算を見込みます。
審査後まで確認質疑・軽微変更・完了検査資料を誰が担うか決めます。

01依頼前にそろえる判断材料

判断材料依頼前に伝える内容見積で確認すること
建物条件住宅・非住宅、用途、構造、延べ面積、工事種別計算対象と棟・用途・住戸タイプの数
手続き確認申請、省エネ適判、BELS、性能評価の予定申請図書、提出、質疑、評価機関手数料の範囲
図面・仕様意匠図、断熱・建具、設備図、機器表の確定状況不足情報の整理と仮定入力を誰が行うか
変更対応設計変更の見込み、図面確定日、変更締切基本料金に含む再計算の回数と範囲
工程・成果物初稿、申請、審査回答、完了検査の希望日PDFに加え編集可能な入力データを受け取れるか
国土交通省などの一次情報を確認
特定の代行会社を推す前に比較条件を整理
制度変更に合わせて2026年8月に再確認

02省エネ計算・省エネ適判・BELSの違い

名称役割外注時の確認
省エネ計算外皮や設備仕様から、建築物のエネルギー消費性能などを算定する実務。計算対象、方法、入力根拠、計算書・入力データの納品範囲。
省エネ適合性判定対象となる計画が省エネ基準へ適合するか、所管行政庁・登録省エネ判定機関などが判定する手続き。申請図書作成、提出、質疑、計画変更、完了検査まで誰が対応するか。
BELS評価機関の審査を経て、省エネ性能のラベル・評価書を発行する第三者評価。省エネ計算とBELS申請の両方を頼むか、評価機関の手数料が別か。
省エネ性能ラベル販売・賃貸時に、エネルギー消費性能や断熱性能などを示す表示。自己評価か第三者評価か、広告へ使うラベル・評価書を誰が用意するか。

「計算代行を頼んだらBELS評価書も自動的に出る」とは限りません。必要な申請・評価書名を見積書に書きます。

ユウ
平面図を送れば、省エネ計算は始められますか。
ミナミ
外皮仕様、建具、空調、換気、照明、給湯などの情報も必要です。未確定部分が多いと、仮定と再計算が増えます。
ユウ
「設備は後で決めます」が、納期に刺さるんですね。
ミナミ
はい。未定欄は空白ではなく、手戻り予定表です。

住宅と非住宅で計算の入口が違う

区分主に見る内容資料の例
戸建住宅外皮性能と一次エネルギー消費性能。UA値、ηAC値、設備仕様など。平面・立面・断面、矩計、断熱範囲、建具、空調・換気・給湯・照明、太陽光。
共同住宅住戸と住棟、共用部、住戸タイプ、設備方式を分けて整理する。住戸表、タイプ別図面、共用部、給湯・換気、住棟全体の設備情報。
非住宅用途、室用途、外皮、空調、換気、照明、給湯、昇降機など。意匠図、外部建具表、各設備図、機器表、系統図、制御内容。
複合用途住宅・非住宅部分や複数用途を分け、共用設備の扱いを決める。用途区分図、面積表、設備系統、共用部の範囲、用途別仕様。

モデル建物法と標準入力法をどう選ぶか

非住宅の計算では、モデル建物法と標準入力法が使われます。どちらが常に有利という話ではなく、計画の目的と必要な精度、入力できる図面・仕様の確定度で判断します。

方法考え方確認したい場面
モデル建物法建物用途ごとのモデルを使い、代表的な外皮・設備仕様を入力して評価する。適合確認を効率よく進めたいとき。複数用途や特殊設備の扱いを事前確認する。
標準入力法室・ゾーンや設備の情報をより詳細に入力し、建物全体を評価する。詳細な性能評価、ZEB検討、複雑な用途・設備を反映したいとき。

外注先には、採用方法の提案理由、途中で方法を変える条件、編集可能な入力データを納品するかを確認します。

見積前にそろえる図面・仕様

建物概要所在地、用途、構造、階数、延べ面積、工事種別、申請予定。
意匠図配置、各階平面、立面、断面、矩計、面積表、仕上表、外部建具表。
外皮断熱材の種類・厚さ・熱伝導率、屋根・壁・床、熱橋、建具・ガラス仕様。
空調・換気機器表、能力、効率、台数、系統、制御、換気量。
照明・給湯照明器具・台数・制御、給湯機器・配管・節湯器具。
再エネ等太陽光発電、蓄電池、コージェネレーションなどの容量・仕様。

費用と納期が変わる要因

  • 住宅・非住宅・複合用途の別と、用途・住戸タイプの数
  • 延べ面積、棟数、空調・換気・照明などの設備系統数
  • モデル建物法、標準入力法、住宅の仕様基準など評価方法
  • 図面・機器表の確定度と、不足情報を外注先が拾う範囲
  • 省エネ適判、BELS、ZEB・ZEH、性能評価など申請・評価の数
  • 審査質疑、軽微変更・計画変更、完了検査資料の対応範囲
  • 短納期対応、設計変更回数、現地・オンライン打合せの回数

料金相場を比べるときは、同じ図面一式と同じ成果物一覧を複数社へ渡します。「計算のみ」と「申請・質疑込み」を混ぜて比較しないことが重要です。

設計変更で再計算になりやすい項目

変更影響運用
窓の大きさ・ガラス・サッシ外皮性能、日射、空調負荷などに影響する。建具表と立面図を同じ版で更新する。
断熱仕様外皮計算と仕様図の整合を取り直す。部位、材料、厚さ、施工範囲を変更票へ記載する。
空調・換気機器一次エネルギー消費量と機器効率の入力が変わる。同等品変更でも型番・能力・効率を確認する。
照明器具・制御消費電力、台数、在室・明るさ制御の評価が変わる。照明図と器具表をそろえて連絡する。
用途・面積・間取り評価対象、室用途、面積按分が変わる場合がある。変更前に計算・申請担当へ影響を確認する。

省エネ計算代行会社へ聞く10項目

  1. 同じ建物用途・規模・評価方法の実績があるか
  2. 必要図面と未確定項目をいつ確認してくれるか
  3. 計算方法を誰がどの根拠で選ぶか
  4. 省エネ適判・BELSなどの申請図書作成を含むか
  5. 審査機関からの質疑回答を含むか
  6. 基本料金に含む修正回数・変更範囲はどこまでか
  7. 軽微変更・計画変更・完了検査資料へ対応するか
  8. PDF以外の編集可能な入力データを受け取れるか
  9. 資料受領から初稿・申請可能状態まで何営業日か
  10. 担当者不在時や繁忙期のバックアップ体制があるか
ユウ
計算書の納品日だけでなく、図面確定日と変更締切も決めます。
ミナミ
良い進め方です。計算担当が待つ時間と、設計側が戻る時間を減らせます。
ユウ
最短納期の前に、最短で図面を確定します。