性能評価・認定・証明書
最初に「何へ使う書類か」を決め、必要な制度だけ申請する
住宅性能評価、長期優良住宅、BELS、低炭素建築物、住宅ローン・税制・補助制度で使う証明書は、目的も申請先も同じではありません。販売表示、施主説明、融資、税制、補助金、性能保証のどれに使うかを先に決めます。
申請支援を外注するときは、性能計算だけか、申請図書作成、評価機関・所管行政庁への提出、審査質疑、施工段階の検査、変更対応まで含むかを確認します。着工後では取得できない、または手続きが難しくなる制度があるため、契約・着工前の工程確認が重要です。
ユウ
省エネ性能が高ければ、BELSも長期優良住宅も同じ証明書でいけますか。
ミナミ
別の制度です。省エネだけでなく、構造、維持保全、住戸面積など、確認する内容が違います。
ユウ
証明書のスタンプラリーにならないよう、使い道から選びます。
ミナミ
集めるほど得とは限りません。必要なゴールへ最短で進みましょう。
制度・評価書の役割を分ける
| 制度・書類 | 主な役割 | 外注時に確認すること |
|---|---|---|
| 設計住宅性能評価 | 設計図書を、国が定める共通ルールに基づいて登録住宅性能評価機関が評価する。 | 希望等級、計算・図面作成、評価機関との質疑を含むか。 |
| 建設住宅性能評価 | 施工・完成段階の検査を通じ、設計評価との整合を確認する。 | 検査予約、施工資料、現場変更、立会いを誰が管理するか。 |
| 長期優良住宅 | 長期に良好な状態で使用するための措置を盛り込んだ計画を認定する制度。 | 技術的審査相当の図書、認定申請、維持保全計画、変更認定の範囲。 |
| BELS | 建物の省エネ性能について、評価機関が審査してラベル・評価書を発行する第三者評価。 | 省エネ計算、BELS申請、評価機関手数料、ラベル・評価書の用途。 |
| 低炭素建築物認定 | 市街化区域等で、低炭素化に資する建築物の新築等に関する計画を認定する。 | 対象区域、認定基準、申請時期、所管行政庁への提出。 |
| 融資・税制・補助用証明 | フラット35、税制、年度ごとの補助制度などで、条件適合を示す。 | 制度名、申請年度、必要書類、発行主体、着工・契約前の期限。 |
住宅性能評価は3つに分けて考える
| 評価書 | いつ確認するか | 主な内容 |
|---|---|---|
| 設計住宅性能評価書 | 設計段階 | 設計図書を審査し、耐震、省エネ、維持管理などの性能を表示する。 |
| 建設住宅性能評価書(新築) | 施工・完成段階 | 施工途中と完成時の検査を行い、設計評価どおりの施工か確認する。 |
| 建設住宅性能評価書(既存) | 既存住宅の評価時 | 既存住宅の現況検査などに基づき、確認できる性能を評価する。 |
設計評価だけを取得するのか、建設評価まで取得するのかで、外注先の業務は変わります。現場検査がある場合は、施工会社・現場監督にも検査時期と必要資料を共有します。
着工前に決める5項目
利用目的販売、施主説明、融資、税制、補助金、会社標準仕様のどれか。
必要書類評価書、認定通知書、適合証明書、性能証明書など正式名称。
目標性能耐震、断熱、一次エネ、劣化対策、維持管理など必要等級。
申請順確認申請、設計評価、認定、着工、施工検査、完成の前後関係。
発行主体登録住宅性能評価機関、所管行政庁、指定確認検査機関など。
変更管理評価・認定後の設計変更と、現場での同等品変更を誰が確認するか。
申請支援へ渡す資料
- 建物概要、建設地、申請者・建築主、設計者、工事監理者
- 配置、平面、立面、断面、矩計、仕上、建具、面積表
- 構造計算書、構造図、基礎・金物図、地盤情報
- 外皮・一次エネルギー計算、断熱・建具・設備仕様
- 維持保全計画、設備配管、劣化対策など制度ごとの図書
- 確認申請図書、既に取得した評価書・認定・事前相談記録
- 希望する制度・等級・証明書と、取得目的・提出期限
費用と納期が変わる要因
| 要因 | 確認する内容 |
|---|---|
| 戸建・共同住宅 | 住戸数、住戸タイプ、共用部、棟数、評価範囲。 |
| 申請の組み合わせ | 性能評価、長期優良住宅、BELS、低炭素、融資・補助用証明を同時に行うか。 |
| 計算・作図 | 構造・省エネ計算、仕様整理、図面追記を外注費へ含むか。 |
| 審査・検査 | 評価機関等の手数料、質疑回答、現場検査、立会いを含むか。 |
| 設計変更 | 変更申請・再評価、同等品確認、完成図書の修正範囲。 |
年度別補助制度は恒久制度と分ける
年度ごとの住宅補助制度は、名称、対象期間、予算、性能要件、証明書が変わります。記事や社内仕様を特定年度の制度名だけで作ると、翌年度に誤解を招きます。
長期優良住宅、ZEH、住宅性能表示、BELSなどの恒久的な制度・評価を基礎として整理し、補助制度は対象年度の公式資料で、契約日・着工日・交付申請日・完了期限を確認します。
ユウ
制度名より、何に使う書類かを見積依頼へ書きます。
ミナミ
それなら、不要な申請と必要書類の取り違えを減らせます。
ユウ
証明書を集める前に、証明したいことを決めます。