Cashflow Check
資金不足は、借りれば解決するものと、仕組みを直すべきものがあります
資金繰りが苦しいとき、原因を見ないまま借入やファクタリングに進むと、翌月以降の返済や手数料でさらに苦しくなることがあります。まず、売上、入金、支払い、固定費、税金、返済、在庫を分けて見ます。
このページは、資金不足の原因を切り分ける入口です。原因がわかれば、資金繰り表、短期資金、ファクタリング、ビジネスローン、固定費見直し、納税資金準備など、次にやることを選びやすくなります。
最初に結論。資金不足は「足りない理由」で対策が変わる
同じ「お金が足りない」でも、売上不足、入金遅れ、税金の準備不足、返済過多、在庫過多では対策が違います。借入が合う場合もありますが、原因を見ないまま借りると、翌月から返済だけが増えることがあります。
| 症状 | まず疑う原因 | 最初に見るページ |
|---|---|---|
| 売上はあるのに残高が薄い | 入金遅れ、先行支払い、税金、返済。 | 資金繰り表 |
| 請求後の入金まで長い | 売掛金、支払条件、未入金管理。 | 請求・入金管理 |
| 納税月だけ苦しい | 税金予備費を毎月分けていない。 | 納税資金 |
| 毎月ずっと足りない | 粗利不足、固定費過多、価格設定、返済過多。 | 月次確認 |
| 一時的に入金まで足りない | 短期のつなぎ資金、売掛金早期資金化。 | 短期資金 |
まず「利益」と「現金」は違うと考える
売上があるのにお金が足りない、利益が出ているはずなのに口座残高が減る、という悩みは珍しくありません。理由は、売上や利益と、実際に現金が入るタイミングが違うからです。
7つの診断ポイント
資金不足の原因はひとつとは限りません。まずは次の7つに分けて、自社がどこで詰まっているかを見ます。
| 原因 | 確認すること | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 売上不足 | 売上そのものが固定費を下回っていないか。粗利が残っているか。 | 価格、粗利、集客、商品構成、固定費を見直す。 |
| 入金遅れ | 請求から入金までが長い、未入金がある、カードやECの入金が遅い。 | 支払条件の見直し、未入金管理、請求管理、ファクタリング。 |
| 先行支払い | 仕入れ、広告費、外注費、人件費が売上入金より先に出ている。 | 短期資金、法人カード、支払条件交渉、仕入れ調整。 |
| 固定費過多 | 家賃、人件費、SaaS、通信費、車両費、リース料が重い。 | 固定費削減、契約見直し、業務効率化、撤退基準の設定。 |
| 税金・社会保険 | 消費税、源泉所得税、法人税、社会保険料を予定に入れていない。 | 納税資金の積立、税金用口座、月次確認。 |
| 借入返済 | 既存借入、カード分割、リース料、ローン返済が粗利を圧迫している。 | 返済計画、借換相談、金融機関への早めの相談。 |
| 在庫・設備 | 売れない在庫、過大な設備投資、回収前の追加投資がある。 | 在庫管理、設備投資回収、長期資金、補助金併用の確認。 |
最低限、3か月先まで見る
資金繰り診断では、今月だけでなく、少なくとも3か月先まで見ます。できれば6か月先まで見ると、納税、賞与、借入返済、広告費、仕入れの山が見えます。
| 項目 | 入れる内容 | 見方 |
|---|---|---|
| 月初残高 | 事業用口座の開始残高。 | ここから入金と支払いを足し引きします。 |
| 売上入金 | 現金、カード、請求書、EC、補助金入金予定。 | 売上日ではなく入金予定日で見る。 |
| 変動費 | 仕入れ、外注費、配送費、決済手数料、広告費。 | 売上に連動して増える支払いを見る。 |
| 固定費 | 家賃、人件費、通信費、SaaS、保険、リース料。 | 売上が低い月でも出ていく支払いを見る。 |
| 税金・社会保険 | 消費税、源泉所得税、法人税、所得税、住民税、社会保険料。 | 支払月にまとまって出るので別枠で見る。 |
| 借入返済 | 元金、利息、リース、カード分割、ローン返済。 | 返済後の月末残高が残るかを見る。 |
| 月末残高 | 月初残高+入金−支払い。 | マイナスになる月が危険信号です。 |
原因別の次の一手
診断で原因が見えたら、次に読むページを変えます。いきなり借入に進むのではなく、原因に近い対策を選ぶのが大切です。
| 原因 | 考えること | 次に読むページ |
|---|---|---|
| 売上はあるが入金が遅い | 請求日、入金予定日、未入金、売掛金の管理を見直す。 | 請求・入金管理、ファクタリング |
| 支払いが先に来る | 仕入れ、広告費、外注費、補助金後払い、カード決済の入金ズレを見る。 | 短期資金・つなぎ資金 |
| 税金の支払いで苦しい | 税金分を使っていないか、納税月を資金繰り表に入れているか。 | 納税資金の準備 |
| 返済が重い | 毎月返済額が粗利や固定費に対して無理がないか。 | 返済計画の作り方 |
| 開業直後で資金が薄い | 運転資金、生活費、広告費、売上入金までの期間を見直す。 | 創業融資・開業資金 |
| 設備投資が重い | 回収期間、返済期間、維持費、補助金入金時期を見る。 | 設備投資の回収期間、長期資金 |
| 毎月ずっと足りない | 借入だけではなく、利益構造、固定費、価格、在庫、集客を見直す。 | 月次確認、Web改善 |
危険信号を見逃さない
資金繰りの悪化は、突然起きるように見えて、前兆があることが多いです。次の状態が続く場合は、早めに資金繰り表を作り、金融機関や税理士へ相談するタイミングです。
- 月末残高が毎月少しずつ減っている。
- 税金や社会保険料の支払い月に毎回苦しくなる。
- 売上は増えているのに、仕入れや外注費が先に出て資金が残らない。
- 未入金の確認が遅れがちになっている。
- カード払い、リース、ローン返済が増えて全体が見えない。
- 補助金や大型入金を前提に支払いを組んでいる。
- 毎月ファクタリングや短期借入を使わないと回らない。
- 社長個人のお金と事業資金の出入りが混ざっている。
よくある誤診
資金繰りの怖いところは、原因を間違えると対策もずれることです。借入やファクタリングが悪いわけではありません。ただ、何を解決するために使うのかを決めないまま進むと、次の月も同じ悩みが残ります。
| 誤診 | 本当は見たいこと | 対策の考え方 |
|---|---|---|
| 売上が増えれば全部解決する | 粗利率、入金日、先行支払い、固定費。 | 売上を増やす前に、増える支払いも資金繰り表へ入れる。 |
| 借りれば一安心 | 返済後残高、据置終了後、税金支払い月。 | 返済計画を作り、借入後の月末残高を見る。 |
| 未入金はそのうち入る | 支払期限、連絡記録、継続取引の可否。 | 期限後の対応手順を決め、入金遅れシナリオを作る。 |
| 税金は決算後に考える | 消費税、源泉所得税、社会保険料の支払月。 | 毎月の税金予備費を作り、事業用口座で分ける。 |
| 黒字なら大丈夫 | 現金残高、売掛金、在庫、設備投資、返済。 | 利益と現金のズレを資金繰り表で確認する。 |
借入前に用意したい資料
原因を確認したうえで借入や金融機関相談が必要な場合は、資料を整えます。資金が足りない理由を説明できないまま相談するより、入金予定、支払予定、返済原資を見える化した方が話が前に進みやすくなります。
毎月の診断ルールを作る
資金繰り診断は、資金不足になったときだけではなく、毎月の確認に組み込むと効果が出ます。月次確認のついでに、入金予定、支払予定、税金、返済、月末残高を同じ順番で見ます。
- 月初残高を確認する事業口座の残高を確認し、個人のお金と混ぜないようにします。
- 入金予定を更新する請求済み、未請求、カード決済、EC入金、補助金入金を分けます。
- 支払予定を更新する固定費、変動費、税金、社会保険、返済を入れます。
- 3か月先の月末残高を見る残高が薄くなる月を先に見つけます。
- 原因ごとに対策する入金遅れ、固定費、税金、返済、在庫を分けて対応します。


