決済サービスを選ぶ段階へ
「どれが一番安いか」より「自分の店で詰まらないか」を比べる
キャッシュレス決済サービスは、AirPAY、PAYGATE、STORES決済など選択肢が増えています。どれもカード、電子マネー、QR決済に対応する方向で進化していますが、実際に店で使うときの差は、手数料だけではありません。
レジ横に置くのか、テーブル会計で持ち運ぶのか、イベント出店でも使うのか。POSレジとつなげたいのか、予約やECまでまとめたいのか。入金日が支払いに間に合うか。比較では、こうした「店の使い方」から見るほうが失敗しにくくなります。
比較する前に、自店の会計シーンを決める
決済サービス比較で迷う店ほど、サービス名から見始めています。先に「どこで、誰が、どんな会計をするか」を決めると、必要な機能が絞れます。
| 会計シーン | 重視すること | 候補になりやすい方向 |
|---|---|---|
| レジカウンター中心 | 据置しやすさ、レシート、POS連携、レジ締め。 | AirPAY、STORES決済、スマレジ連携。 |
| テーブル会計 | 持ち運び、バッテリー、店内Wi-Fi、レシート控え。 | PAYGATE、STORES決済など持ち運び端末。 |
| イベント・催事・キッチンカー | 4G/LTE、バッテリー、端末一体型、屋外通信。 | PAYGATEなどポータブル型端末。 |
| 予約制サロン・スクール | 事前決済、予約金、キャンセル料、顧客管理。 | STORES、予約システム連携、オンライン決済。 |
| 店舗とECを併用 | 在庫、ネットショップ、店頭決済、返品・返金の一体管理。 | STORES、スマレジ、EC連携。 |
比較軸は8つに分ける
サービスの公式ページでは、対応ブランド数や手数料が目立ちます。もちろん重要ですが、導入後に困りやすいのは、入金日、返金、通信、レジ締め、スタッフ操作です。比較軸を分けて見ると、自店に合うサービスを選びやすくなります。
| 比較軸 | 確認すること | 見落とすと起きること |
|---|---|---|
| 決済手数料 | カード、電子マネー、QR、業種別料率、キャンペーン適用条件。 | 粗利が薄い商品で利益が削られる。 |
| 入金サイクル | 月何回入金か、最短入金日、振込手数料、入金口座条件。 | 売上はあるのに仕入れや給与の支払いに間に合わない。 |
| 対応ブランド | Visa、Mastercard、JCB、交通系、iD、QUICPay、PayPay、d払い、海外QRなど。 | お客様が使いたい決済に対応できない。 |
| 端末 | カードリーダー型、一体型、プリンター内蔵、バッテリー、SIM、Wi-Fi。 | イベントやテーブル会計で使いづらい。 |
| POS連携 | 金額連携、二度打ち防止、決済別売上、レジ締め、在庫・商品管理。 | 導入後に入力ミスや締め作業が増える。 |
| 返金・取消 | 当日取消、後日返金、返品時の処理、控えの出し方。 | スタッフが迷い、クレーム対応が長引く。 |
| 審査・必要書類 | 業種、取扱商品、店舗有無、事業実態資料、審査日数。 | 開業日やイベント日に間に合わない。 |
| サポート | 端末故障、通信トラブル、問い合わせ時間、初期設定支援。 | 会計できない時間が発生する。 |
主要候補のざっくり比較
以下は、2026年6月時点で各公式ページに掲載されている特徴をもとに、自店で比較しやすいように整理したものです。実際の料率やキャンペーン、対象業種、端末条件は変わるため、申し込み前には公式ページの最新条件で確認します。
| 候補 | 強みとして見たい点 | 注意して見る点 | 向きやすい店舗 |
|---|---|---|---|
| AirPAY | 導入・運用費、振込手数料、対応ブランド数、Airレジとの連携。 | iPadまたはiPhoneなど必要機器、入金回数、対応口座、プリンター要否。 | 固定店舗で、まず決済手段を広げたい飲食・美容・物販。 |
| PAYGATE | プリンター内蔵の一体型端末、4G利用、屋外・イベント・テーブル会計、スマレジ連携。 | 端末料金、月額プラン、SIM条件、中小事業者向け料率の適用条件。 | 持ち運び会計、イベント出店、複数レジ、スマレジ利用店舗。 |
| STORES | 決済、POS、予約、ネットショップ、モバイルオーダーなどを横断して見られる。 | プラン、入金方法、端末条件、使う機能が増えたときの運用整理。 | 店舗とネット販売、予約、店頭決済をまとめたい店。 |
| スマレジ | POSレジ、商品管理、売上分析、在庫、複数店舗、PAYGATE連携。 | 決済端末単体ではなく、POS運用全体として設計する必要がある。 | 売上分析、在庫管理、スタッフ管理まで整えたい店。 |
手数料比較は「条件つきの数字」に注意する
公式ページには、1.98%から、0.99%から、3.24%などの数字が出ることがあります。ただし、決済ブランド、税区分、業種、プラン、キャンペーン、売上規模、期間によって条件が分かれることがあります。
比較するときは、一番低い数字だけでなく、自店で使う決済ブランドに実際に適用される料率を見ます。たとえばカード中心なのか、交通系電子マネーが多いのか、QR決済が多いのかで、月の手数料は変わります。
入金サイクルは、月次の資金繰りで比べる
「最短翌々日」「月3回」「月6回」「手動入金」「自動入金」など、サービスごとに入金の考え方は違います。ここは、売上が多い日よりも、支払いが多い日と重ねて見ます。
端末比較は「見た目」より「詰まる場面」で見る
端末はデザインや対応ブランドに目が行きますが、現場で大事なのは、混雑時に迷わないこと、通信が安定すること、レシートや控えを出せること、返金・取消がわかることです。
| 端末条件 | 確認したい場面 | 向く方向 |
|---|---|---|
| スマホ・タブレット連携 | 固定レジで使い、低コストで始めたい。 | AirPAYなどカードリーダー型。 |
| プリンター内蔵 | 別プリンターを置きたくない。店外でも控えを出したい。 | PAYGATEなど一体型端末。 |
| SIM・4G/LTE | 屋外、イベント、キッチンカー、訪問先で使う。 | モバイル回線対応端末。 |
| POS連携 | 金額の二度打ちを避けたい。商品別売上や在庫も見たい。 | スマレジ、STORES、Airレジ連携など。 |
| スタンドアロン | 端末だけで決済を完結したい。 | 一体型・単体決済モード対応の端末。 |
店のタイプ別に見る候補
| 店のタイプ | 優先する比較軸 | 候補の見方 |
|---|---|---|
| 小さな飲食店・カフェ | 会計スピード、ランチピーク、電子マネー、テーブル会計。 | AirPAYで低コストに始めるか、PAYGATEで持ち運び会計を重視するか。 |
| 美容室・エステ・ネイル | カード利用、高単価、予約・事前決済、キャンセル対策。 | AirPAYやSTORESを比較し、予約システムとの相性も見る。 |
| 小売・雑貨・アパレル | カード、電子マネー、在庫管理、EC併用。 | STORESやスマレジで店頭とネット販売をつなげるかを見る。 |
| イベント・催事・キッチンカー | 持ち運び、通信、バッテリー、レシート、屋外決済。 | PAYGATEのような一体型端末を中心に見る。 |
| 複数店舗・成長中の店舗 | POS、在庫、スタッフ権限、売上分析、店舗別集計。 | スマレジ、STORESなど店舗運営全体で比較する。 |
審査・申込前に用意するもの
キャッシュレス決済は、申し込めばすぐ使えるとは限りません。加盟店審査があり、業種や取扱商品、店舗の有無、事業実態が確認されることがあります。開業直後やイベント日が決まっている場合は、余裕を持って準備します。
- 事業者名、法人番号または個人事業主情報
- 店舗名、所在地、Webサイト、SNS、メニューや商品情報
- 取り扱う商品・サービス、価格帯、販売方法
- 入金先口座、本人確認書類、営業許可や資格が関係する業種の資料
- 店舗なし、オンライン販売のみ、イベント出店の場合の事業実態がわかる資料
比較表の作り方
最終的には、自店用の比較表を作るのがおすすめです。公式ページの数字だけを並べるのではなく、自店の月商、粗利、入金日、端末利用シーンを入れて比較します。
| 項目 | AirPAY | PAYGATE | STORES | 自店メモ |
|---|---|---|---|---|
| 主な利用場所 | レジカウンター中心 | 持ち運び・イベントにも強い | 店舗・予約・EC横断 | 店内だけか、店外でも使うか |
| 端末 | iPad/iPhoneとカードリーダーなど | プリンター内蔵の一体型端末 | 決済端末と各サービス連携 | プリンターや控えが必要か |
| POS連携 | Airレジ連携 | スマレジ・POS連携 | STORES POSや外部POS連携 | 今使っているレジと合うか |
| 入金 | 登録口座により回数が分かれる | プラン・条件を確認 | 手動・自動入金の選択肢 | 仕入れや給与の前に入るか |
| 向く使い方 | 低コストに決済手段を広げる | 端末運用・屋外・持ち運び | 店頭、予約、EC、POSをまとめる | 今後増やしたい機能は何か |



