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BUSINESS GUIDEオフィス・総務

受付システム導入の考え方

最終確認日:2026年10月7日

オフィス整備ガイド

受付システム導入の考え方

受付システムは、来客を担当者へつなぎ、受付記録を残し、来客対応の属人化を減らす仕組みです。受付担当者を置けない会社だけでなく、商談、採用面接、配送、業者対応が増えてきた会社でも検討する価値があります。

無人受付では「通知を送った」「担当者が応答した」「来客を迎えた」を分けて考えます。担当者のスマホに届く設定だけでなく、不在時の代理、反応がないときの呼び直し、端末が使えないときの連絡先まで決めておきましょう。

受付タブレットとスマートフォンの通知、対応確認を表す立体イラスト
受付完了の表示だけで終わらせず、誰が迎えに行くかまで決めます。画像は仕組みのイメージです。
ユウ
受付システムって、大きな会社のエントランスにあるタブレットのことですよね。小さい会社には早くないですか。
ミナミ
来客数だけでは決まりません。担当者を探して社内を歩き回る、面接者を待たせる、誰が来たか記録に残らない、という悩みが出たら検討できます。
ユウ
たしかに「すみませーん、誰かいますかー」は、会社っぽさが急に薄くなりますね。
ミナミ
会社っぽさというより、相手を迷わせないことが大事です。
ユウ
来客に社内オリエンテーリングをさせない。了解です。

やさしい用語メモ

受付システム来客が自分で受付操作をし、担当者へ通知したり来訪履歴を残したりする仕組みです。
無人受付受付担当者を常駐させず、タブレットやQRコードなどで受付する方法です。
来客通知受付が完了したら、担当者へ電話、メール、チャットなどで知らせることです。
入退館記録誰が、いつ来て、いつ帰ったかを残す記録です。
ゲストカード来客に渡す一時的な入館証です。名前や訪問先が分かるようにします。
個人情報氏名、会社名、電話番号、メールアドレスなど、個人を識別できる情報です。

受付システムが向いている会社

受付システムは「来客が多いかどうか」だけで判断すると外します。少人数でも、担当者が外出しがち、面接や商談が多い、社外の人を執務室に入れたくない、来客履歴を残したい会社では効果が出やすいです。

悩み受付システムで変わること導入前に決めること
来客のたびに手が止まる担当者へ直接通知し、総務や近くの社員が毎回取り次ぐ負担を減らす。担当者不在時の代理通知先。
面接や商談で待たせる到着通知がすぐ届き、会議室や待合スペースへ案内しやすくなる。受付後にどこで待ってもらうか。
飛び込み営業や配送が多い用件別に案内を分け、必要な相手だけ呼び出せる。営業訪問、配送、採用、商談をどう分けるか。
誰が来たか記録に残らない来訪履歴を残し、あとで確認しやすくなる。保存期間、閲覧できる人、削除ルール。
社外の人の動線が不安受付から会議室までのルートを決め、執務エリアへの立ち入りを抑えやすい。入ってよいエリアと、案内が必要なエリア。

受付方法の種類

受付システムには、タブレットで担当者を呼ぶ方法、QRコードで事前受付する方法、電話やチャット通知と組み合わせる方法があります。会社の規模よりも、来客の種類と社内通知のしやすさで選びます。

方式向いている場面注意点
タブレット受付エントランスや入口に端末を置き、来客が会社名や担当者名を選ぶ。端末の盗難・破損対策、電源、Wi-Fi、置き場所を考える。
QRコード受付事前に予約や案内メールを送り、来客がQRコードで受付する。事前案内が必要。飛び込み訪問や配送には別ルートも用意する。
電話・内線連携担当者の電話や部署代表へ呼び出す。担当者不在時に止まらないよう、代理対応を決める。
ビジネスチャット通知Slack、Chatworkなどへ来客通知を出す。通知が流れないよう、専用チャンネルや担当者メンションを整える。
有人受付との併用受付担当者はいるが、面接・商談・配送の記録を残したい。人が対応する範囲と、システムに入力する範囲を決める。

来客の種類ごとに通知先と待機場所を決める

「誰かが対応する」ではなく、当日の担当と代理を指定します。次は小規模オフィスで使う設定表の例です。氏名などの入力は目的に必要な範囲に絞り、配送にも商談と同じ入力を求めないようにします。

来客最初の通知先・代理受付後の案内と記録
予約のある商談訪問先の担当者。会議中なら事前に決めた同僚。待合で待機。予約との照合、到着と応答を確認する。
採用面接面接担当と採用担当。応募者情報を全社チャットへ流さない。他の来客と重ならない待機場所を案内し、必要な人だけが情報を見る。
配送・郵便受取当番。会議に入る日は別の当番へ引き継ぐ。受取場所と担当を表示する。執務室に自由に入ってもらわない。
工事・保守立会い担当と施設管理の代理。作業場所と入退館の確認方法を決める。受付しただけで扉を解錠しない。
予約なし・飛び込み営業問い合わせ窓口。担当者の個人連絡先を公開しない。訪問目的の確認や問い合わせ先への案内を分ける。
重要顧客・複数名の訪問担当者と案内役。会議室の空きと来客人数を事前に共有する。
ユウ
じゃあ受付システムを置けば、来客対応は全部解決ですね。
ミナミ
端末を置くだけでは、来客がどこへ行けばよいかわかりません。案内文、通知先、待合場所、代理対応まで決めて初めて機能します。
ユウ
タブレットに全部任せる夢が、今そっと閉じました。
ミナミ
閉じた夢の代わりに、開くべき設定画面があります。

受付に表示する案内文を決める

来客は、会社の内部事情を知りません。受付画面や入口の案内には、何を選べばよいか、受付後にどこで待てばよいか、急ぎの場合はどうすればよいかを短く書きます。

  • 「商談・打ち合わせ」「採用面接」「配送・郵便」「工事・保守」など、来客が選びやすい項目名にする。
  • 担当者名を検索する場合は、同姓の人や部署名の表記ゆれに注意する。
  • 受付後の待機場所を明確にする。入口前、待合スペース、会議室前などを決める。
  • 緊急時や端末トラブル時の連絡先を用意する。
  • 個人情報を入力してもらう場合は、利用目的や問い合わせ先を分かりやすく示す。

担当者が反応しないときは、代理と呼び直しの期限を決める

グループに通知が出ても、全員が「別の人が行く」と考えることがあります。迎えに行く人は「対応します」と応答し、ほかの人が状況を判断できるようにします。既読表示だけを対応完了とみなさないことが大切です。

10時の商談に備える、小規模オフィスの運用例

  1. 朝に担当者と代理を確認し、会議・外出予定があれば代理へ引き継ぐ。
  2. 来客が受付したら担当者へ通知。迎えに行ける人がチャットなどで応答する。
  3. 1分間応答がなければ、当番が代理へ連絡する。自動再通知を使う場合は、条件と宛先を設定しておく。
  4. 2分待っても迎えが来なければ、来客が「担当者が来ない」ボタンまたは入口の連絡先から呼び直せるよう案内する。
  5. 代理が迎えに行き、誰が引き継いだかを社内で共有する。

1分・2分は自社で決める目安の例で、製品共通の仕様や応答保証ではありません。当番が常時確認できない会社では、実際に動ける窓口と時間帯に合わせて組み直します。

RECEPTIONISTの公式ヘルプでは、複数経路の通知、サブ通知先、呼び直し用ボタン等が案内されています。ただし、サブ通知先はエンタープライズプラン以上、再通知の説明はSlack向けなど、機能には条件があります。契約プランと利用するチャットで使えるか確認してください。

入口には、例えば「受付後は待合でお待ちください。2分たっても担当者が来ない場合は、こちらの連絡先へお知らせください」と表示します。代替の電話番号を用意する場合は、代表電話の受け方・不在時の転送設計も合わせて確認できます。

通知が届かない・QRコードが使えないときの切り分け

「端末にエラーが出た」「チャットには出たがスマホが鳴らない」「通知は見えたが誰も動かない」は別の問題です。来客を待たせている間は先に代理対応へ切り替え、その後に原因を確認します。

止まった場所確認することその場の代替
受付端末・通信電源・ネット接続・アプリ連携。管理画面のテスト通知と、実際の受付操作をそれぞれ試す。入口の連絡先や有人窓口へ切り替える。同じ回線に依存する電話は回線障害の代替にならない場合がある。
通知先のチャット宛先ID、チャンネル、担当者の参加、連携権限。担当者検索と配送ボタンの両方を試す。受取当番・代理へ別経路で知らせる。通知先の修正後に再テストする。
担当者のスマホ通知許可、アプリの状態、ログインした端末。PC表示とスマホ通知を分けて確認する。その日の代理が対応する。スマホを開いているときだけの確認で終えない。
予約のQRコード来訪先、予約日時、有効期間、招待メールの有無。QRの読み取り方式も確認する。使える場合は数字コードや担当者検索へ。コードも使えなければ案内された窓口へ連絡する。
通知後の応答担当者の会議・外出、代理の指定、応答する社内ルール。事前に決めた時間で代理へ切り替える。来客にも呼び直し方法を示す。

製品ごとに違う、スマホとQRの条件

RECEPTIONIST Mobileは、アプリを開いたままではプッシュ通知が届かず、バックグラウンドまたはスリープ状態で使う仕様です。同じアカウントで複数端末にログインした場合、最後にログインした端末だけに通知が届く点も、公式手順で確認できます。他のチャットアプリにも同じ仕様があるとは限りません。

同社のタッチレス受付は、来客に発行したQRコードを受付のiPadで読む方式です。来客自身のスマホで入口のQRを読む方式とは準備が違います。招待メールを送らず数字コードだけを発行した場合はQRが発行されない条件や、予約日時・来訪先が合わずエラーになる場合もあります。必要なプラン・対応端末を含め、選ぶ製品の現行手順を確認しましょう。

本格導入前に試す6つの受付テスト

社内のテスト用予定と架空の来客情報で、受付から迎えまでを通して試します。実在する応募者の情報を練習用に使う必要はありません。

  • 通常の予約:受付操作、通知、担当者の応答、迎えまでを確認し、止まった段階と待ち時間を記録する。
  • 担当者が会議中:本人が反応しない状態で、代理に引き継げるか確認する。
  • スマホがスリープ・通知制限中:普段の端末設定で届くか、届かなければ代替経路で気付けるか確認する。
  • 予約QRなし・期限外・スマホなし:来客が受付をやり直せるか、窓口に連絡できるか確認する。
  • 配送と予約なし訪問:商談とは別のボタン・宛先・案内が動くか確認する。
  • 受付端末や回線の停止:代替窓口が実際につながり、来客を迎えられるか、通常業務を妨げない時間に試す。

記録欄は「ケース/受付できたか/通知先/応答した人/迎えまでの時間/代替手段/修正点」で十分です。応答も代替もできないケースが残るなら、設定を直すか有人対応を併用してから無人受付に切り替えます。

入退館記録と個人情報の扱い

来訪履歴が残る機能と、退出時刻の記録・扉の解錠は同じではありません。入退館の把握が必要なら、退出操作や鍵との連携を別に確認します。氏名、会社名、連絡先、訪問目的などの取得・閲覧範囲も決めておきましょう。

  • 何のために来客情報を取得するのかを決める。例: 来客対応、入退館管理、防犯、問い合わせ対応。
  • 保存目的に応じた期間を決め、不要になったデータの削除手順を整える。別の法令で保存が必要な記録がある場合は、その条件も確認する。
  • 閲覧できる人を限定する。全社員が全来客履歴を見られる状態にしない。
  • 退職者のアカウントや古い端末から来客情報を見られないようにする。
  • 受付端末をロックし、他のアプリや管理画面を開けないようにする。

受付システムを選ぶときの比較ポイント

月額だけでなく、初期設定、受付端末・スタンド、拠点数・利用人数、通知・再通知の対象プラン、保守、解約条件を同じ条件で見積もります。既存の電話・チャットの契約内で使えるか、追加契約が必要かも分けて確認します。

比較項目見ること実務での確認
通知方法電話、メール、Slack、Chatwork、Teamsなど。担当者が本当に気づく方法か。
来客登録会社名、氏名、訪問目的、担当者、予約情報。入力項目が多すぎて来客が迷わないか。
履歴管理来訪日時、退出、検索、CSV出力、保存期間。誰が確認できるか、あとで探せるか。
端末・設置タブレット、スタンド、電源、ネット回線、盗難対策。入口で邪魔にならず、操作しやすい高さか。
複数拠点拠点ごとの受付、担当者、通知先を分けられるか。将来の支店や店舗にも流用できるか。
サポート初期設定、トラブル時の連絡先、管理画面のわかりやすさ。総務担当が自力で変更できるか。

受付システムがまだ不要なケース

受付システムは便利ですが、すべての会社にすぐ必要なものではありません。来客がほとんどなく、完全予約制で、担当者が入口まで迎えに行けるなら、まずは案内板、チャット通知、会議室予約の整理で十分なこともあります。

  • 来客が月に数件しかなく、担当者が直接迎えに行ける。
  • レンタルオフィスやコワーキングの受付で来客対応が完結している。
  • 完全オンライン商談が中心で、来客履歴を残す必要が少ない。
  • 入口スペースが狭く、端末を置くと動線を妨げる。

この場合でも、代表電話、問い合わせフォーム、来客予定の共有、会議室予約は整えておくと、急な来客や採用面接が入ったときに慌てにくくなります。

関連サービスを見る前に整理したいこと

受付システムを検討するときは、先に自社の来客パターンを整理しておくと、機能を比較しやすくなります。通知や来客記録と、歓迎・待機・案内の表示は別の役割です。後者を整える場合は受付のデジタルサイネージ導入ガイドを確認してください。

通知電話、メール、チャットのどれで気づきやすいか。
受付場所入口、エントランス、会議室前のどこに置くか。
来客種類商談、採用、配送、保守、営業訪問をどう分けるか。
履歴何を記録し、誰が見て、いつ削除するか。

よくある質問

小さな会社でも受付システムは必要ですか

来客が少なく、担当者が直接迎えに行けるなら急いで導入しなくてもよいです。ただし、面接、商談、配送、保守業者の出入りが増え、担当者通知や来客履歴が必要になったら検討しやすいタイミングです。

タブレットを置くだけで無人受付になりますか

端末だけでは不十分です。受付後の案内、通知先、代理対応、端末トラブル時の連絡先、個人情報の保存ルールまで決めて、初めて無人受付として機能します。

来客履歴はどれくらい残すべきですか

防犯や問い合わせ対応に必要な期間を決め、必要以上に長く残さない運用が現実的です。誰が閲覧できるか、削除するタイミングも合わせて決めておきます。

ユウ
受付システム、つまり来客を華麗に迎える会社の顔ですね。
ミナミ
顔でもありますが、実務では通知、履歴、動線、セキュリティの仕組みです。
ユウ
顔だけ整えて、裏で担当者を探して走るのは避けたいです。
ミナミ
受付の裏側で全力疾走しなくていい会社にしましょう。