事業系ごみ・リサイクルの基本

最終確認日:2026年7月9日

Office Waste & Recycling

会社のごみは、家庭ごみ感覚で捨てない

オフィスや店舗から出るごみは、日々の紙ごみ、梱包材、壊れた備品、古いパソコン、電池、蛍光灯、家具、機密書類など、種類がばらばらです。小さな会社でも、事業活動から出たものは家庭ごみと同じ感覚で出すと問題になることがあります。

大切なのは、最初から専門用語を暗記することではありません。捨てるものを分類し、自治体や委託先のルールを確認し、情報漏えい・火災・不法投棄・経理処理の事故を防ぐことです。

ユウ
会社のごみも、燃えるごみの日に出せばいいんですよね。袋に「仕事です」って書いて。
ミナミ
そのメモは効きません。事業から出たごみは、家庭ごみと違う扱いになることがあります。
ユウ
ごみにも会社員としての自覚が必要なんですね。
ミナミ
はい。最後まで社内ルールに従って退勤してもらいます。

まずは5種類に分ける

事業系ごみは、細かい分類が自治体や廃棄物の種類で変わります。最初は次の5種類に分けて考えると、迷いにくくなります。

分類最初に確認すること
日常の事業系ごみ事務所の紙ごみ、弁当容器、清掃ごみ、店舗の一般的なごみ。自治体の事業系一般廃棄物ルール、収集業者、分別方法。
産業廃棄物になりうるもの廃プラスチック、金属くず、ガラスくず、廃油、建設系廃材など。廃棄物の種類、委託先の許可、契約書、マニフェスト。
機密情報を含むもの契約書、顧客名簿、履歴書、請求書、営業資料、古いHDD。シュレッダー、溶解処理、データ消去、証明書、保存期間。
パソコン・小型家電ノートPC、デスクトップPC、タブレット、キーボード、周辺機器。データ消去、回収対象、証跡、固定資産台帳。
大型備品・設備オフィス家具、什器、複合機、照明器具、エアコン、看板。所有者、リース品か、搬出経路、廃棄先、原状回復。

やさしい用語メモ

事業系一般廃棄物事業活動から出るごみのうち、産業廃棄物以外のものです。自治体ごとに出し方や委託先が変わります。
産業廃棄物法律で定められた事業活動に伴う廃棄物です。廃プラスチック、金属くず、ガラスくずなどが代表例です。
排出事業者責任ごみを出した事業者が、適正に処理されるよう責任を持つ考え方です。委託したら終わりではありません。
マニフェスト産業廃棄物が、委託先でどのように運ばれ処理されたかを追跡する管理票です。
小型家電リサイクルパソコンや小型家電から金属などを回収し、資源として活用する仕組みです。
証跡いつ、誰が、どの方法で処理したかを後で確認できる記録です。受付番号、証明書、契約書などが含まれます。

会社で作るべき基本ルール

ごみの処理は、総務担当だけの仕事に見えますが、情報管理、経理、労務、店舗運営にも関係します。次のルールを決めておくと、退去・移転・PC入替時に慌てにくくなります。

  1. 日常ごみ、機密書類、PC・スマホ、電池、家具を分ける。
  2. ごみを出す場所、曜日、委託先、担当者を決める。
  3. 契約書、個人情報、履歴書、顧客情報を普通ごみに混ぜない。
  4. PCやスマホは、初期化だけでなくデータ消去とアカウント解除を確認する。
  5. リース品、レンタル品、会社所有品を分ける。
  6. 処分した証跡を、経理・総務・情報管理で見られる場所に保存する。

パソコン・スマホ・小型家電は、情報漏えい対策もセット

パソコンやスマホは、ただのごみではありません。顧客情報、メール、チャット、会計データ、ブラウザの保存パスワード、認証アプリ、クラウド同期の情報が残っていることがあります。

処分前には、端末台帳を見て、誰が使っていた端末なのか、どのアカウントが入っていたのか、バックアップが必要かを確認します。データ消去証明書が必要な会社は、証明書を発行できる回収方法を選ぶと安心です。

PC業務データを移し、会社アカウントを解除し、データ消去方法を決める。
スマホSIM、認証アプリ、クラウド同期、端末を探す機能、写真データを確認する。
外付け媒体USBメモリ、SDカード、外付けHDDを箱に混ぜない。
証跡受付番号、消去証明書、資産除却資料を保存する。

オフィス移転・閉鎖時の捨て方チェック

対象確認すること失敗しやすい点
オフィス家具所有品か、リース品か、搬出経路、解体の有無。退去直前に搬出できず、原状回復や追加費用が出る。
複合機・プリンターリース契約、返却条件、カウンター確認、保存データ。勝手に処分して契約違反になる。スキャン履歴やアドレス帳が残る。
PC・スマホデータ消去、端末台帳、アカウント解除、証明書。古い端末に顧客情報や認証情報が残る。
書類保存義務、原本保管、スキャン保存、廃棄方法。必要書類まで捨てる。個人情報を普通ごみに混ぜる。
電池・バッテリー分別、膨張、回収ルート、保管場所。発火リスクがあるものを一般ごみに混ぜる。
照明・蛍光灯水銀を含むランプ、LED化工事、事業者としての処分。古いランプを家庭ごみ感覚で捨てる。

やってはいけない処分

  • 事業から出たごみを、家庭ごみに混ぜて出す。
  • 許可や処理ルートが確認できない回収業者に任せる。
  • 顧客情報や履歴書をそのまま紙ごみに出す。
  • パソコンを初期化だけで処分し、データ消去の記録を残さない。
  • リース品やレンタル品を、自社所有品のように処分する。
  • 膨張したバッテリーや電池を普通ごみに混ぜる。
ユウ
捨てるだけなのに、意外と判断が多いですね。
ミナミ
だから種類ごとに分けます。日常ごみ、情報があるもの、機器、家具、危険物。ここまで分けると迷いが減ります。
ユウ
ごみ箱を増やすより、判断の箱を増やす。
ミナミ
その表現は採用です。分別のポスターにしましょう。

委託先を選ぶときの確認項目

処分を外部に任せる場合でも、会社側の責任が消えるわけではありません。安さだけで選ばず、許可、処理範囲、証跡、情報管理を確認します。

確認項目見る理由
許可・認定事業系一般廃棄物、産業廃棄物、小型家電リサイクルなど、対象に合ったルートか確認する。
契約書・見積書処理範囲、費用、追加費用、搬出、保管、キャンセル条件を確認する。
証明書・報告書データ消去、廃棄、資産除却、マニフェストなど、後で説明できる記録を残す。
情報管理機密書類やPCを扱う場合、誰がどこで処理するかを確認する。
回収対象外電池、蛍光灯、エアコン、サーバー、液体、危険物など、別ルートが必要なものを把握する。

小さな会社向けの運用例

最初から完璧な廃棄物管理システムを作る必要はありません。まずは、月1回の棚卸しと処分記録から始めるだけでも事故を減らせます。

頻度やること見るポイント
毎日日常ごみを分別する。機密書類を普通ごみに入れない。スタッフ全員が迷わない表示にする。
毎月不要書類、故障機器、使っていない備品を確認する。捨てる前に保存義務とデータを確認する。
四半期PC・スマホ・周辺機器の台帳と現物を照合する。退職者端末、使っていない回線、古い認証端末を見つける。
移転・退去前家具、複合機、照明、通信機器、書類を一覧化する。リース品、原状回復、搬出日、証跡を確認する。