ChatGPT・Gemini・Claudeの基本

AI Basic

AIは「答えをくれる先生」ではなく、仕事の下書きと整理を手伝う相棒です

ChatGPT、Gemini、Claudeのような生成AIは、文章を作る、長い情報を要約する、表のたたき台を作る、アイデアを出す、会議メモを整理する、といった作業を短時間で手伝えます。

ただし、AIは必ず正しい答えを出す機械ではありません。間違った内容を自然な文章で出すこともあります。ビジネス利用では「AIが下書きし、人間が確認して責任を持つ」という分担にすると使いやすくなります。

このページでは、AIに詳しくない個人事業主・中小企業向けに、まず何に使えるのか、何を入れてはいけないのか、どう指示すればよいのかを平易に整理します。

ユウ
AIに聞けば、もう全部答えてくれる時代ですね。僕は横で拍手していればいいですか。
ミナミ
拍手の前に確認してください。AIは便利ですが、事実と違うことを堂々と書くことがあります。
ユウ
自信満々に間違えるんですか。急に親近感が。
ミナミ
そこに寄り添わなくて大丈夫です。AIは下書き、人間は確認と判断。この分担が基本です。
ユウ
もしかして、この会話もAIで作られていたりしますか。
ミナミ
え?

生成AIとは何か

生成AIは、文章、画像、音声、動画、コードなどを作るAIです。ここで扱うChatGPT、Gemini、Claudeは、主に文章でやり取りするAIです。質問に答えるだけでなく、文章の言い換え、表の作成、要約、企画案、メール文、FAQ、議事録の整理などに使えます。

一方で、AIは「それらしい答え」を作るのが得意なため、事実確認が必要です。存在しない制度名、古い料金、誤った法律解釈、実在しないURLを出すこともあります。このような間違いは、一般にハルシネーションと呼ばれます。日本語では「もっともらしい誤回答」と考えるとわかりやすいです。

AIが得意なこと・苦手なこと

分野得意な使い方注意点
文章の下書き問い合わせ返信、案内文、提案書の構成、FAQ、求人文を作る。事実、金額、納期、契約条件、会社としての約束は必ず確認する。
情報整理会議メモ、長い資料、調査メモを要約し、表や箇条書きにする。重要な条件や例外が抜けることがある。
アイデア出し記事案、SNS投稿案、キャンペーン案、営業トークの切り口を出す。一般論になりやすいので、自社の商品、地域、顧客層を追加する。
調査の入口比較軸、確認項目、質問リスト、調査手順を作る。最新情報、料金、法令、制度は公式サイトや専門家で確認する。
判断の補助メリット・デメリット、リスク、論点を整理する。契約、税務、法律、人事評価、医療などの最終判断は任せない。

ChatGPT・Gemini・Claudeの使い分け

どのAIが一番よいかは、時期やプラン、使う業務によって変わります。最初は細かな性能比較より、今使っている仕事環境と、扱うデータの安全性で選ぶと迷いにくくなります。

サービス向いている使い方確認したいこと
ChatGPTメール文、提案書、業務手順、壁打ち、表のたたき台、文章の言い換えなど幅広い業務。個人向け利用か、Business/Enterprise/APIなど業務向け利用か。管理者機能、データ保持、学習利用の設定。
GeminiGmail、Googleドキュメント、スプレッドシート、Google Driveなど、Google Workspaceを使う会社の業務補助。Workspaceの契約、管理者設定、社内データへのアクセス範囲、利用できる機能。
Claude長い文章の読解、自然な文章の作成、資料や仕様書の整理、論点の洗い出し。利用プラン、入力データの扱い、社内ルールとの整合。

無料版や個人向けプランで試す場合は、顧客名、個人情報、契約書、未公開の売上、社外秘の資料を入れないところから始めます。業務で本格利用する場合は、法人向けプランや管理機能のある環境を検討します。

無料版で試すことと、業務利用で考えること

利用段階やってよいこと気をつけること
個人で試す一般的な文章の下書き、架空の例での練習、公開情報の整理。顧客情報、社内資料、契約書、個人情報を入れない。
少人数で試す問い合わせ返信の型、FAQ、SNS投稿案、議事録整理の手順を作る。誰が何に使ってよいか、入力禁止情報を決める。
会社で使う法人向けプラン、管理者権限、ログ、権限、データ保持を確認して使う。料金だけでなく、セキュリティ、データ利用、退職者の権限管理を見る。
外部公開に使うブログ、LP、画像、動画、音楽、広告文の下書きに使う。著作権、商標、肖像権、薬機法・景品表示法、誇大表現を確認する。
ユウ
無料で試せるなら、まず全部の資料を入れて便利さを体験したくなりますね。
ミナミ
そこが危ないところです。最初は架空の内容や公開情報で試します。顧客名簿や契約書をいきなり入れるのは避けましょう。
ユウ
便利さに浮かれて、会社の秘密をお土産に渡さない。

プロンプトは「お願い」ではなく「業務指示」と考える

プロンプトとは、AIへの指示文です。仕事で使うなら、短い一言よりも「目的」「前提」「出力形式」「注意点」を入れると、使える下書きになりやすくなります。

入れる情報
目的新規問い合わせへの初回返信メールを作りたい。
前提相手は中小企業の担当者。こちらはまだ詳細を聞いていない。丁寧だが堅すぎない文体。
出力形式件名、本文、次に確認したい項目の3つに分ける。
注意点料金を断定しない。個別見積もりが必要と伝える。強引な営業文にしない。

そのまま使える指示例

「あなたは中小企業向けの営業事務担当です。次の問い合わせに対する初回返信メールを作ってください。目的は、相手に安心してもらい、必要な情報を追加で確認することです。件名、本文、確認事項に分けて、丁寧だが堅すぎない表現にしてください。料金や納期は断定しないでください。」

小さく始めやすい業務例

問い合わせ返信返信文の下書きを作り、担当者が事実確認して送る。
FAQ作成よくある質問を10個出してもらい、自社の実態に合わせて修正する。
社内マニュアル作業手順を見出しに分け、抜け漏れを確認する。
SNS投稿投稿案を複数出し、言い回しや炎上リスクを確認する。
会議メモ議題、決定事項、次の作業、担当者に分ける。
営業準備提案前に相手の悩み、質問候補、比較表の項目を作る。

AIに入れてよい情報・避けたい情報

便利だからこそ、入力する情報の線引きが必要です。特に個人情報、顧客情報、契約情報、未公開の売上、社外秘資料は慎重に扱います。

情報の種類扱い方
公開情報比較的使いやすい。ただし内容の正確性は確認する。自社サイトに載っているサービス説明、公開済みの料金、公開済みの採用情報。
匿名化した情報名前、会社名、住所、電話番号、具体的な契約条件を外して使う。「A社」「月額サービス」「地方の小売店」のようにぼかした相談。
個人情報原則として入力しない。業務利用環境と社内ルールが必要。氏名、住所、メールアドレス、電話番号、健康情報、顧客名簿。
機密情報無料版や個人アカウントには入れない。契約書、未公開の決算情報、仕入価格、営業リスト、パスワード。

詳しくは、AIに入力するデータと個人情報の扱いで、社内ルールの作り方を整理しています。

AIの回答を公開・送信する前の確認フロー

  1. 事実確認。会社名、料金、日付、制度、法令、URL、商品名を確認します。
  2. 表現確認。誇大表現、断定しすぎ、失礼な言い回し、会社らしくない文体を直します。
  3. 権利確認。画像、文章、音楽、ロゴ、人物写真、他社名の使い方を確認します。
  4. 個人情報確認。顧客名、取引内容、住所、連絡先、社内事情が混ざっていないか見ます。
  5. 責任者確認。契約、法律、税務、採用、医療、金融などは担当者や専門家が確認します。

よくある失敗

失敗なぜ困るか対策
AIの文章をそのまま送る事実誤認や自社らしくない表現が混ざる。下書きとして使い、担当者が確認してから送る。
質問があいまい一般論だけが返ってきて、仕事に使いにくい。目的、相手、前提、出力形式、注意点を入れる。
機密情報を入れる情報管理上のリスクが生じる。匿名化し、業務利用環境と社内ルールを整える。
AIを検索エンジン代わりにしすぎる古い情報や間違った情報を信じる危険がある。公式サイト、一次情報、専門家で確認する。
全社員に丸投げする使い方がバラバラになり、情報漏えいや品質差が出る。利用範囲、禁止事項、確認フローを決める。
ユウ
AIは何でもできそうで、逆に何を頼めばいいかわからなくなります。
ミナミ
判断前の作業から始めましょう。調査の観点、要約、下書き、表のたたき台、チェックリスト作成です。
ユウ
AIは魔法使いではなく、仕事が速い助手。確認しました。
ミナミ
その確認も、AIに丸投げしないでくださいね。