会社にFAXは必要か

このページにはプロモーションを含む場合があります。最終確認日:2026年7月3日

ビジネスフォン導入ガイド

FAXを残すべきか、やめてもよいかを整理する

FAXは古い仕組みに見えますが、業種や取引先によっては今でも残した方が安全なことがあります。一方で、紙の受信、迷惑FAX、保管、見落とし、複合機の維持費が負担になっている会社もあります。

大切なのは「FAXが好きか嫌いか」ではなく、取引先とのやり取りに必要か、代替手段へ移せるか、残すならどのくらい小さく運用するかです。

ユウ
今どきFAXって必要なんですか。メールとチャットがあれば、もう卒業でよくないですか。
ミナミ
気持ちはわかります。ただ、建設、医療、士業、行政手続き、卸売、古くからの取引先が多い業界では、FAXが残っていることがあります。
ユウ
では巨大な複合機を置いて、紙をシュッと出し続けるしかないんですね。
ミナミ
そこまで大げさにしなくても大丈夫です。紙で受ける方法、複合機で受ける方法、インターネットFAXで受ける方法を比べます。
ユウ
FAXをなくす話かと思ったら、FAXとの付き合い方講座でした。
ミナミ
その通りです。残すなら小さく、やめるなら段階的に。これが現実的です。

FAXを残した方がよいケース

FAXを残すべきかは、社内の好みではなく取引先の事情で決まります。相手が注文書、発注書、図面、申込書、確認書をFAXで送る運用を続けているなら、いきなり廃止すると受注や連絡に支障が出ます。

残した方がよい状態理由現実的な対応
取引先がFAX注文を続けている受注の入口を急に閉じると機会損失になる。受信だけ残し、順次メールやフォームへ誘導する。
図面や手書き書類のやり取りが多い相手側の運用変更に時間がかかる。PDF化、スキャン、インターネットFAXを検討する。
行政・医療・士業など古い運用が残る相手の指定形式に合わせる必要がある。FAX番号を残しつつ、保管ルールを整える。

まず確認する4つの質問

FAXを残すかどうかは、機械の有無ではなく業務の入口で判断します。次の4つを確認すると、残す・縮小する・廃止するの方向性が見えます。

質問見る理由判断の目安
誰から届いているか重要な取引先か、営業チラシかで扱いが違います。売上に直結する取引先が使っているなら、急に止めない。
何が届いているか注文書、申込書、図面、見積依頼、行政書類などで保存方法が変わります。契約や取引証憑になる書類は、受信後の保存ルールまで決める。
月に何件あるか件数が少ないなら、専用機や大型複合機を維持する必要性が下がります。月数件ならインターネットFAXや受信専用化を検討する。
代替できるかメール、Webフォーム、電子契約、クラウド共有へ移せるかを見ます。相手先が移行できるなら、案内期間を置いて段階的に縮小する。

FAXが残りやすい業種・場面

FAXは古い手段に見えますが、業務フローが長く残っている業界では、今でも注文や確認の入口になっていることがあります。

建設・工事図面、現場確認、見積依頼、発注書がFAXで届くことがあります。
医療・介護紹介状、予約、連絡票などでFAX運用が残ることがあります。
卸売・小売注文書、納期確認、在庫確認をFAXで受ける取引先があります。
士業・行政手続き相手先の手続きや古い運用に合わせる必要がある場合があります。
地域密着の取引長年の取引先がFAX前提の業務を続けていることがあります。
高齢の顧客が多い事業電話とFAXを好む顧客層が残ることがあります。

FAXをやめやすいケース

FAXをほとんど使っていない、迷惑FAXばかり届く、受信しても結局スキャンしてメール共有している。このような状態なら、FAXを残す意味は薄くなっています。

ユウ
届くFAXの大半が営業チラシです。これは業務というより紙の運動会です。
ミナミ
必要なFAXと不要なFAXを分けましょう。必要な受信が月に数件なら、紙のFAX機を持ち続ける必要はないかもしれません。
  • 取引先からのFAXがほぼない
  • 受信後に結局PDF化して社内共有している
  • 迷惑FAXや紙・トナーの管理が負担になっている
  • 注文や問い合わせをWebフォーム、メール、チャットへ移せる

いきなり廃止せず、受信から縮小する

FAXをやめたい場合でも、番号を突然止めると重要な注文や連絡を逃すことがあります。まずは受信状況を見える化し、取引先ごとに移行案内を出します。

  1. 1〜3か月ほど、届いたFAXの送信元、内容、対応担当を記録する。
  2. 重要な取引先、営業チラシ、不要な案内を分ける。
  3. 重要な取引先へ、メール、Webフォーム、電子契約、クラウド共有への移行を案内する。
  4. 移行期間中は、FAX番号を受信専用として残す。
  5. 残す必要がある件数だけになったら、紙の機器からインターネットFAXや複合機受信へ切り替える。

FAXの持ち方と費用の見方

FAXのコストは、月額だけでは見えません。紙、トナー、複合機、回線、受信確認、保管、見落とし対応まで含めて考えます。料金はサービスや契約条件で変わるため、ここでは費用項目の見方を整理します。

方式向いている会社主なコスト注意点
複合機FAX紙での印刷・コピーも多い会社。複合機利用料、保守、紙、トナー、回線。FAX利用が少ないと固定費が重くなる。
専用FAX機小規模で紙受信だけ残したい会社。機器代、回線、紙、インク。紙管理と受信確認が必要。
インターネットFAX紙を減らし、PDFで受けたい会社。月額、送受信枚数、番号維持費。番号引き継ぎ、送信先の受信可否を確認する。
FAX廃止取引先がメールやフォームへ移行済みの会社。移行案内、フォーム整備、社内ルール作り。急に廃止せず、一定期間は案内期間を置く。

費用は「紙代」よりも見落とし時間が大きい

FAXの費用は、紙やインクだけではありません。受信した紙を取りに行く、担当者へ渡す、スキャンする、保存する、対応済みか確認する。この時間もコストです。

費用・負担紙FAXで起きやすいこと見直し方
機器・回線複合機、専用FAX機、電話回線、保守費がかかる。FAX件数が少ないなら受信専用やインターネットFAXを検討する。
紙・トナー営業チラシでも紙とトナーを消費する。印刷せずPDF保存、不要FAXの停止依頼、迷惑FAXの確認。
人の時間受信確認、担当者振り分け、スキャン、ファイル名付けが発生する。受信後の保存先と担当者を決める。
見落とし紙が埋もれる、担当者不在で処理が止まる。受信通知、共有フォルダ、対応ステータス管理を使う。
保管注文書や申込書が紙のままファイルに残る。スキャン保存、文書管理、契約・請求書との紐づけを行う。

FAXを残すなら運用ルールを決める

FAXは「届いたことに気づかない」「誰が処理したかわからない」ことが問題になりやすい連絡手段です。残すなら、受信後の確認担当と保存場所を決めます。

  1. 受信したFAXを誰が確認するか決める
  2. 注文書や申込書は、どこへ保存するか決める
  3. 対応済み・未対応がわかるようにする
  4. 迷惑FAXや不要な受信を定期的に見直す
  5. 取引先へメール・フォーム移行を案内する

受信後の電子保存ルール

FAXで受けた注文書や申込書を、紙のまま机や棚に置くと、後から探しにくくなります。FAXを残す場合でも、受信後はできるだけ電子データとして探せる状態にします。

ファイル名日付、取引先、書類名、担当者を入れて保存します。
保存先契約書、注文書、請求書など、書類の種類ごとに保存場所を決めます。
対応状況未対応、対応中、対応済みがわかるようにします。
原本扱い紙を残す必要があるか、スキャン保存でよいかを社内ルールにします。
権限顧客情報や金額が含まれるため、閲覧できる人を限定します。
廃棄不要な紙をいつ、誰が、どの方法で廃棄するかを決めます。

契約書や注文書の保存全体は、文書管理・クラウドストレージの設計で詳しく整理しています。

ユウ
FAXって、届いた瞬間に仕事が終わった気になります。でも実際はそこから担当者へ渡して、保存して、処理して……。
ミナミ
そうです。FAXの問題は送受信より、受けた後の処理にあります。紙で止めず、担当者と保存先まで流しましょう。
ユウ
FAXは入口。紙の終着駅にしない。

よくある質問

創業時にFAX番号は必要ですか

必要な業種でなければ、最初からFAX番号を用意しなくても構いません。取引先がFAXを求めるか、申込書や注文書のやり取りがFAX前提かを確認して判断します。

インターネットFAXなら十分ですか

受信中心で紙を減らしたいなら候補になります。ただし、番号を引き継げるか、送信時の画質、送受信枚数、相手先が受け取れるかを確認します。

FAXをやめる時は何をすればよいですか

急に番号を止めず、取引先へメールやフォームへの移行を案内します。一定期間はFAX受信を残し、どの取引先がまだFAXを使っているか確認してから縮小します。

固定電話のIP網移行でFAXは使えなくなりますか

一般的な固定電話サービスのIP網移行だけで、すべてのFAXが直ちに使えなくなるという話ではありません。ただし、古い機器、特殊な通信、ISDNのデータ通信、複合機設定などは個別確認が必要です。回線や機器の契約更新時に、FAX番号、機器、送受信方式をまとめて確認しましょう。

FAX番号は代表電話と分けた方がよいですか

FAXを一定数使うなら、代表電話とは番号を分けた方が管理しやすくなります。広告、問い合わせ、部署、FAXで番号を分ける考え方は、会社で複数の電話番号を持つ方法で整理しています。