法人携帯・社用スマホ見直しガイド
法人携帯の通信費は、安い回線探しの前に「使い方の棚卸し」から始める
法人携帯の料金見直しは、単純に安いプランへ乗り換えればよい、という話ではありません。営業は通話が多い、現場は写真や地図を使う、管理部門はWi-Fi中心、というように使い方が違うからです。
まずは、回線数、利用者、データ容量、通話料、端末代、補償、不要オプション、退職者分の休眠回線を分けて見ます。必要な連絡手段を残しながら、無駄な固定費だけを落とすのが安全な進め方です。
まず押さえる用語
最初に請求明細を分解する
法人携帯の請求書は、基本料金、通話料、データ通信料、端末分割代、補償、オプション、事務手数料などが混ざっています。合計金額だけを見ると、何が高いのかわかりません。
まず3か月分、できれば6か月分の請求明細を見て、回線ごとに費用を分けます。部署や利用者も入れておくと、営業だけ通話が多い、現場だけデータ容量が多い、管理部門はほとんど使っていない、といった傾向が見えます。
- 電話番号、利用者、部署、貸与日
- 基本料金、通話料、データ通信料
- 端末代、補償、レンタル料、オプション
- 直近3か月のデータ使用量と通話時間
- 退職者、予備機、ほとんど使っていない回線
削減しやすい順番
| 見直し項目 | よくあるムダ | 進め方 |
|---|---|---|
| 休眠回線 | 退職者分、部署異動後の番号、使っていない予備機 | 台帳と請求書を照合し、残す番号と解約する番号を分ける |
| データ容量 | 全員同じ大容量プラン | 営業、現場、内勤で必要容量を分ける |
| 通話料 | 通話が多い人だけ高額になっている | 通話が多い人だけ通話定額を検討する |
| 端末代 | 高額端末を全員に支給している | 業務に必要な性能で分け、中古やレンタルも比較する |
| 補償・オプション | 使っていない補償、留守電、セキュリティ、追加サービス | 必要なものだけ残し、代替手段があるものは外す |
| 個人立替 | 通信費補助や経費精算が毎月発生する | 法人契約、BYOD補助、会社支給のどれが楽か比較する |
部署別に必要条件を分ける
全員同じプランにすると管理は楽ですが、費用は膨らみやすくなります。通信費削減では、使い方ごとにプランを分ける発想が大切です。
| 利用者タイプ | 必要になりやすいもの | 見直しの注意点 |
|---|---|---|
| 営業・外回り | 通話定額、地図、メール、顧客連絡 | 通話品質や番号維持を削りすぎない |
| 現場・配送 | 地図、写真送信、チャット、勤怠 | データ容量と端末耐久性を見る |
| 店舗スタッフ | 予約確認、電話、チャット、決済連絡 | Wi-Fi前提でも障害時の通信手段を残す |
| 内勤・管理部門 | 二段階認証、緊急連絡、チャット | 小容量プランや共有端末も検討できる |
| 経営者・一人事業主 | 事業用番号、外出時通話、信用感 | 個人番号を出すか、03番号や050番号を使うかも検討する |
法人契約・個人回線・BYODの違い
通信費を下げる方法は、法人契約だけではありません。小規模なら個人回線を仕事用に分ける、BYODで補助を出す、低価格回線を使う、03番号サービスを組み合わせる、といった方法もあります。
| 方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 法人携帯を会社支給 | 従業員が多い、番号と請求を会社で管理したい | 端末管理、退職時返却、故障交換のルールが必要 |
| 個人回線を仕事用に分ける | 一人事業主、ひとり法人、小規模な副回線 | 契約名義、経費処理、番号公開の考え方を整理する |
| BYOD | 少人数でチャットや認証中心に使う | 情報管理、補助額、退職時のデータ削除を決める |
| 03番号・050番号サービス | 固定電話番号の信用感がほしい、外出が多い | 携帯回線とは役割が違う。代表電話としての使い方を決める |
| 中古端末+低価格回線 | 初期費用を抑えたい、性能要件が高くない | OS更新、バッテリー、保証、業務アプリ対応を確認する |
会社支給とBYODの詳しい違いは、会社支給とBYODの考え方で整理しています。
MNP・乗り換え前に確認すること
料金を下げるために乗り換える場合、電話番号を失う、SMS認証が受け取れなくなる、名刺やWebサイトの番号修正を忘れる、といったトラブルに注意が必要です。
- 残す番号、変えてよい番号、解約する番号を分ける
- 銀行、SNS、クラウドサービス、決済サービスのSMS認証を確認する
- 名刺、Webサイト、Googleビジネスプロフィール、チラシの掲載番号を確認する
- 端末分割代、違約金、事務手数料、SIM返却の有無を確認する
- 乗り換え当日に業務連絡が止まらないよう、予備連絡手段を用意する
番号移行の詳しい手順は、法人携帯の番号移行・MNPで確認できます。
削減額は「月額」だけで見ない
月額料金が下がっても、端末代、初期設定、故障対応、管理工数が増えると、実質的な削減効果は小さくなります。特に従業員が増えている会社では、安い回線を個別に契約するより、請求や端末管理をまとめた方が楽な場合もあります。
試算するときは、少なくとも次の項目を入れます。
- 現在の月額料金合計
- 乗り換え後の月額料金合計
- 端末代、補償、初期費用
- 解約費用、残債、事務手数料
- 初期設定や端末配布にかかる時間
- 故障・紛失時に業務が止まるリスク
ざっくり削減額を見たい場合は、社用携帯コスト試算ツールも使えます。
よくある質問
法人携帯は何台から検討すべきですか
1台でも、事業用番号を分けたい、請求を事業用にしたい、個人番号を出したくない場合は検討対象です。従業員へ貸与するなら、台数が少なくても端末台帳と返却ルールを作っておきましょう。
格安SIMにすれば必ず安くなりますか
月額は下がることがあります。ただし、通話料、サポート、端末手配、故障時対応、管理工数も見ます。営業や現場の通信が止まると損失が大きいため、安さだけで決めない方が安全です。
社員の個人スマホを使ってもらうのはありですか
あり得ます。ただし、通信費補助、業務アプリ、顧客情報、退職時のデータ削除、紛失時対応を決めます。個人端末を使う場合ほど、ルールの文章化が重要です。
休眠回線はどのくらいの頻度で確認すべきですか
少なくとも半年に1回、できれば四半期ごとに請求書と端末台帳を照合します。退職や部署異動があった月は、すぐ確認するのがおすすめです。
参考にした公的情報
携帯電話の乗り換えや番号移行、料金の考え方は変更されることがあります。実際の契約前には、各社の最新条件と公式情報を確認してください。


