BtoBリード獲得を増やす方法

Lead Generation

いきなり問い合わせない人にも、検討の入口を用意する

BtoBでは、検索してすぐ問い合わせる人ばかりではありません。上司に説明するための資料を探す人、比較表を作る人、予算感を知りたい人、まだ社内で課題を整理しているだけの人もいます。

リード獲得とは、こうした「まだ商談前だけれど、将来のお客様になりうる人」と接点を作ることです。資料請求、ホワイトペーパー、チェックリスト、ウェビナー、診断ツール、個別相談などを用意し、読者の検討段階に合う入口を作ります。

ユウ
リード獲得って、問い合わせフォームを置けば始まりますか。
ミナミ
フォームだけでは足りません。資料、事例、チェックリストなど、問い合わせ前に渡せる情報が必要です。
ユウ
いきなり相談は重い人にも入口を作るんですね。
ミナミ
そうです。検討中の人が社内共有しやすい材料を用意します。
ユウ
まずはフォームの前に、相談への助走路を作ります。

リードとは何か

リードとは、会社名、氏名、メールアドレス、電話番号、業種、課題など、何らかの情報を残してくれた見込み客のことです。ただし、資料を1回ダウンロードした人を、すぐ営業が追いかければよいとは限りません。

Oracleのリード管理の解説でも、フォーム送信だけを一律に有望な営業リードと見るのではなく、購入者としての適合性や意図を見て評価する考え方が示されています。中小企業でも、難しく考えすぎる必要はありませんが、「誰でも同じ対応」ではなく、温度感に合わせて対応を変えることが大切です。

状態意味よくある行動向いている対応
匿名の訪問者サイトには来ているが、誰かはわからない。記事を読む、比較ページを見る。関連記事、事例、資料案内で次の行動を用意する。
リードフォームや資料請求で連絡先がわかった人。資料請求、チェックリスト取得、セミナー申込。お礼メール、関連資料、追加相談の案内。
MQLマーケティング上、検討度が高そうなリード。料金資料、比較表、導入事例を複数見る。課題に合う事例や相談枠を案内する。
SQL営業が具体的に対応すべき見込み客。具体的な相談、見積もり、導入時期、予算の話がある。担当者を決め、早めにヒアリングする。

MQLは「Marketing Qualified Lead」、SQLは「Sales Qualified Lead」の略です。横文字が苦手なら、MQLは「かなり検討していそうな人」、SQLは「営業が具体的に話すべき人」と考えれば十分です。

リード獲得の入口を検討段階で分ける

リード獲得の入口は、読者の検討段階に合わせます。まだ課題整理の段階の人に「今すぐ見積もり」だけを出しても重く感じます。逆に、導入を急いでいる人に基礎資料だけを出しても遠回りです。

課題整理資料

「何から見直すべきか」を知りたい人向けです。チェックリスト、失敗例、費用の見方、導入前の確認項目が合います。

比較資料

候補を絞りたい人向けです。サービス比較、方式比較、費用比較、向き不向き、選定表を用意します。

導入事例

社内説明が必要な人向けです。導入前の課題、選んだ理由、効果、運用後の変化をまとめます。

セミナー・相談会

検討期間が長い商材に向きます。録画視聴、個別相談、少人数説明会など、参加しやすい形にします。

診断・試算ツール

費用削減、問い合わせ改善、業務時間削減など、数字で判断したい人に向きます。入力後に次のページへつなげます。

問い合わせ・見積もり

導入時期や条件が固まっている人向けです。入力項目を絞り、返信目安と相談できる内容を明記します。

ホワイトペーパーは「売り込み資料」だけにしない

ホワイトペーパーとは、読者の課題解決に役立つ資料のことです。単なる会社案内やサービス資料だけでは、まだ検討前の人には重すぎます。検索から来た人が「これは社内で使える」と感じる資料にすると、資料請求の理由が生まれます。

資料テーマ向いている読者入れる内容次の導線
導入前チェックリストまだ何を決めるべきかわからない人。必要条件、費用項目、社内確認、失敗例。関連ガイド、個別相談。
比較表テンプレート複数サービスを比較している人。比較軸、評価項目、費用、運用負担。サービス比較、相談予約。
費用相場・予算資料社内予算を取る人。初期費用、月額、隠れた費用、費用対効果。見積もり相談。
導入事例集社内説明が必要な人。課題、導入理由、運用、成果、失敗回避。似た業種の相談。
制度・法改正対応資料期限がある課題を抱える人。対応範囲、準備手順、社内ルール、注意点。実務ガイド、専門家相談。
ユウ
資料請求って、サービスパンフレットをPDFにすればいいですか。
ミナミ
それだけだと、まだ検討前の人には重いですね。読者が社内で説明しやすくなる資料にします。
ユウ
なるほど。売り込み資料ではなく、会議で味方になってくれる資料。
ミナミ
そうです。PDFも営業担当の一員です。無言ですが、意外と働きます。

フォーム設計で離脱を減らす

フォームは、リード獲得の最後の関門です。入力項目が多すぎる、何に使われるかわからない、返信がいつ来るかわからない、営業電話が多そうで不安、という状態だと送信されません。

項目考え方注意点
必須項目最初は、会社名、氏名、メール、相談内容など最小限にする。住所、部署、役職、電話番号をすべて必須にすると重くなる。
電話番号必要なら「電話希望の場合のみ」など、使い道を明確にする。電話が苦手な人や、まだ検討前の人が離脱しやすい。
資料の内容何が届くか、何ページ程度か、誰向けかを説明する。中身が想像できない資料は請求されにくい。
返信目安問い合わせなら「1〜2営業日以内」など目安を書く。いつ返事が来るかわからないと不安になる。
個人情報利用目的、プライバシーポリシー、同意チェックをわかりやすく置く。取得した情報を何に使うかを曖昧にしない。

個人情報を取得するフォームでは、利用目的や取り扱いを明確にすることが重要です。資料送付、問い合わせ対応、関連情報の案内など、何のために使うのかを読者が理解できるようにします。

資料請求後の追客を設計する

資料請求が増えても、その後の対応が決まっていなければ商談につながりません。資料を送って終わりではなく、読者の関心に合わせて次の情報を案内します。これをリードナーチャリング、つまり見込み客を育てる活動と呼びます。

  1. 即時のお礼メールを送る。資料のダウンロード先、問い合わせ先、関連ページを案内します。
  2. 資料テーマに合う関連記事を送る。比較資料なら比較ページ、費用資料なら費用ページへつなげます。
  3. 検討度の高い行動を見つける。料金、事例、導入手順、問い合わせページを見た人は温度感が高い可能性があります。
  4. 営業に渡す条件を決める。導入時期、予算、具体的な課題、問い合わせ内容がそろったら営業対応に進めます。
  5. 失注・未商談の理由を残す。予算なし、時期未定、情報収集中などを残すと、次の改善につながります。

営業へ渡す基準を決める

リード獲得でよく起きる失敗は、マーケティング側が「リードが増えた」と喜び、営業側が「まだ売れない人ばかり」と感じることです。最初から営業へ渡す基準を決めておくと、数だけでなく質を見られます。

業種・規模自社が得意な業種、社員数、店舗数、拠点数に近いか。
課題の具体性「知りたい」だけでなく、困っている内容が書かれているか。
導入時期すぐ、3か月以内、半年以内、時期未定で対応を分ける。
予算感予算があるか、まだ相場確認かを分ける。
閲覧・行動料金、事例、比較、問い合わせページを見ているか。
既存接点過去の問い合わせ、セミナー参加、メール反応があるか。

最初は点数化までしなくても構いません。「すぐ営業」「メールで育成」「まだ情報提供」の3つに分けるだけでも、対応漏れや追いすぎを減らせます。

見るべき指標

Google Analyticsでは、問い合わせ送信や資料請求完了など、事業上大切な行動をキーイベントとして見られます。リード獲得ではアクセス数だけでなく、フォーム到達、送信完了、商談化、受注までを分けて見ます。

指標意味改善の方向
資料ページ到達記事やサービスページから資料案内が見られているか。ボタン位置、文言、資料テーマを見直す。
フォーム到達資料案内からフォームまで進んでいるか。資料の中身、見出し、安心材料を見直す。
送信完了入力項目や不安で離脱していないか。必須項目、入力しやすさ、個人情報の説明を調整する。
有効リード率対象外や営業できないリードが多すぎないか。資料テーマ、流入ページ、フォーム項目を見直す。
商談化率獲得したリードが具体的な相談に進んでいるか。営業へ渡す基準、追客メール、事例案内を調整する。
対応速度問い合わせ後に熱量が下がっていないか。通知、担当割り当て、CRM連携、返信テンプレートを整える。
受注・売上最終的に売上につながっているか。リード数だけでなく、受注につながるテーマへ寄せる。

90日で始める手順

いきなりマーケティングツールを増やすより、まずは1つの資料と1つのフォーム、1つの追客ルールから始めるのが現実的です。

期間やること成果物
1〜2週目検索意図と営業の質問を集める。読者の悩みリスト、よくある質問、営業が聞かれること。
3〜4週目資料テーマを1つ決める。チェックリスト、比較表、費用資料、事例集のいずれか。
5〜6週目資料ページとフォームを作る。資料説明、フォーム、個人情報の説明、お礼メール。
7〜8週目関連記事から資料へ送る。記事内ボタン、関連リンク、サイドメニュー。
9〜10週目問い合わせ後の対応を決める。担当者、返信目安、営業へ渡す基準、追客メール。
11〜12週目数字を見て改善する。フォーム到達、送信完了、有効リード、商談化の確認。

よくある失敗

失敗なぜ起きるか直し方
リード数だけ追う資料テーマが広すぎて、対象外の人も集まる。誰向けの資料か、相談につながる悩みかを絞る。
フォーム項目が重い営業がほしい情報を最初から全部聞こうとする。最初は必要最小限にし、追加情報は追客で聞く。
資料が売り込みすぎるパンフレットをそのまま資料請求にしている。チェックリスト、比較表、費用の見方など、読者の仕事を助ける資料にする。
営業への引き渡しが曖昧温度感の低いリードまで全部営業へ渡す。MQLとSQLを分け、対応方法を決める。
個人情報の説明が弱いフォーム周辺に利用目的やポリシーが見えない。利用目的、プライバシーポリシー、メール案内の扱いを明記する。

関連する見直しテーマ

検索流入の入口はBtoBコンテンツSEO、受け皿はWebサイト改善、フォームや事例の細かな見直しは問い合わせ導線改善、問い合わせ後の管理は問い合わせ管理・CRMとあわせて設計します。

ユウ
問い合わせを増やすには、とにかく広告を出せばいいですか。
ミナミ
広告は有効ですが、問い合わせ後の受け皿、資料、事例、フォーム、追客まで整えないと漏れます。入口と出口を同時に見ます。
ユウ
水を流す前に、バケツの穴をふさぎます。